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−さきほど学校の施設を拝見しましたが、ずいぶん立派なので驚きました。
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| この学校はテレビ局にも負けないほどの設備をもっていますよ。だって、テレビ局が借りに来るんですから。学生が使うにはもったいないくらいの設備が整っています。この学校には、声優以外にも、ミュージカル、ダンス、俳優と、ほとんどの学科が揃っている。また技術的な学科についても映像、音響など全部揃っている。ハードもソフトも揃っているわけです。ここで僕が監督をすれば、十分にテレビドラマができてしまいます。 |
| −パフォーマンス学科・声優専攻の講師をされるきっかけは? |
僕は30年以上、劇団東芸で後進を育ててきた。仲代さんの無名塾より古いです。僕は若手を育てるために、年間10本演出したことがありますよ。最後の弟子といったらおかしいが、僕が手塩にかけた最後のグループに高島政伸がいました。さかのぼっていけば、まだ高校生だった渡辺徹もそうじゃないかな。けっこううちを通過していった人は多いのです。特に声優部門に多い。外国映画のアテレコのタイトルを見ていたら、自分が育てた人が最低1人は出ている。多いときは5人も6人も出ている。例えば野沢雅子、野沢那智。このふたりもうちの劇団出身です。
私も昔のように、あっちのテレビ、こっちのテレビと駆けずり回る、という年でもないし。まだ現役ですから、出演はしていますが。それよりも私の余力がビジュアルアーツで後進の育成に役立てばと思ってお受けしました。 |
| −森山さんのご経験から、声優に必要な資質とはなんだと思われますか? |
| いろいろあると思いますが、声優というのは、まず反射神経がよくなければできません。映画のアテレコでもアニメの声でもそうですが、絵を見て、脳が指令して、音声になるまで0.3秒。これで8コマです。1秒は24コマですから。8コマずれ。これが正常です。ピタッと合わせるやつはヤマカン。これはかえって駄目。正常は全部8コマずれていく。編集で8コマ分上げると、全部ピタっとそろうんです。運動神経は鈍くても、反射神経がよければいいんですよ。 |
| −声優と俳優の資質はどこが違うと思われますか? |
| 声優は俳優の仕事の一部なんですよ。僕はいまだにそう解釈しています。声優というのは、なんか今、妙に独り歩きしだしたけれども、実は俳優の仕事の一部なんです。俳優の勉強をしなかったら声優はできないですよ。声優科だからといって、何かマイクの前でチョコチョコしゃべることばかりのテクニックを教えたって、それだけのものです。それより技術的には少々下手でもいいから、その人の持っている個性的なものを伸ばしたほうがいいと思います。セリフに感情が入った、聞く人のハートにつきささるような声優をめざしてほしい。ですから僕の授業では俳優的なレッスンも大切にしています。 |
| −最後に声優をめざしたい人にメッセージをお願いします。 |
| 俳優や声優にとって大切なのは、人に感動を与えたいと思う気持ち。そして感じたことをとっさに表現できる反射神経です。それに自信があるなら、ぜひチャレンジしてみてください。ただし30までやって駄目ならあきらめることも大事です。僕はビジュアルアーツで自分の培ってきたノウハウを後進の人たちに残らず伝えたいと思ってやっています。また声優や俳優の現場で、いま何がもとめられているのか、どんなうごきがあるのか。そんなこともリアルタイムに伝えながら、業界の現場と学生たちの橋渡しになりたいとも思っています。 |